蚕影神社(こかげじんじゃ) 私の家からすぐ近くには、養蚕発祥の地とされる、蚕影神社(こかげじんじゃ)があります。二百段の石段を登ると、こじんまりとした風情の拝殿が現れます。境内には巨木や古木も数多く見られ、隣接した額殿には、養蚕に係わった長野・群馬・栃木県など遠来の人々による奉納額も掲げられています。人力でしか作業ができなかった時代に築かれた石垣に、当時の蚕影神社の大きな力が偲ばれます。
 養蚕と深い関わりのあるこの神社の誕生物語(縁起)には、若く美しい女性「金色姫」が登場します。有名な「鶴の恩返し」にも似た伝説が、うっそうとした木立に囲まれて、今も静かに息づいています。(御手洗)